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ワインクラウト★ワイン漬けザワークラウトの芳醇

ワインクラウト お気に入りの酒と料理話

“別格”のザワークラウトづくりをしたい方へ

2度のドイツ旅行で舌を鍛えるも、なかなか近づかない本場の味。
手作りザワークラウトを何度も腐らせ、失敗しまくって、研究を重ね、春キャベツのザワークラウトを愛する一心で数年頑張った結果…2021年春、ついにひとつ高いところへ行けた感覚をようやく掴んだ!

わしもやっとここまで来たか。。フフ。

見えたぞ!ザワークラウトを格段に旨くする方法を!

というわけで、ザワークラウトづくりの基本は下記でじっくり紹介しているので、割愛する。

ここでは応用編とドイツのザワークラウト話を紹介したい。

最初から乳酸菌の爆弾を入れてつくる「菌のリレー」で、成功しやすいザワークラウトづくりにシフト!
本場ドイツのザワークラウトあれこれ
ザワークラウトのワイン漬け「ワインクラウト」を楽しもう!

残り汁で菌のリレー

なぜ手作りザワークラウトを失敗してしまうのかについてはすでに語り尽くしたので、ここでは言うまい。

それにしても、寒冷地ヨーロッパと違い、高温多湿の日本でザワークラウトを作るのは、意外と難しいのかもしれない。だが、その不利な状況から、成功率を格段に上げる方法があることに気づいた。

菌のリレー」だ。

乳酸菌の爆弾ともいえるザワークラウトの残り汁の活用法はないものかと思っていたら、あったのだ。ぬか漬けのように、新しく作ったものに少量移植して、スターターになってもらうのだ。
もともと乳酸菌が順調に育ったエキスであるから、これを使用することで失敗しづらくなる。

私の場合、もんだキャベツにそのスターターを最初からカレースプーン2杯ほど入れたおかげで、3日かかるところ2日で発酵できるようになった。1日短縮。しかも、揺らぎのない確実なザワークラウト化が進んでいることがちゃんとわかるほどだ。
香りが強く、舌ではっきりとした酸味を感じ、見た目も泡立ちがはっきりある。活発に発酵している証拠だ。

もちろん、一度成功例を作る必要があることは言うまでもない。が、この方法を試して以来、失敗する気がしないのだ。

余談だが、本場ドイツでは、このエキスだけを販売しているというから凄い。乳酸菌の爆弾を腸に送りたい人が胃腸のために飲むと聞いた。ヤクルトみたいなもの? 飲んで美味しいものではないのだが、まぁ、薬と思えばいいのかもしれない。

本場ドイツのザワークラウト

ホンモノのザワークラウトは、乳酸菌と食物繊維が豊富で、腸内細菌を増やす美容にいい食べ物なのだ。しかも、美味しいし、食べ方のバリエーションもあって、お気に召すまま。
日本では「マズイ」ザワークラウトしか売り物として提供されていないようだが、本物は違うということをドイツ人に代わって主張したい。

さて、ドイツで食べたザワークラウトは、私がつくったものとはやはり別物だった。どうやったらあの味になるのか。。
二度目のドイツ旅行でも当然注文した。見るとやはり色が違うことに気づいた。メニューに「ワイン漬け」とある。白ワインとも赤ワインとも書いていない。器を触ると温かかったりするから、店で出す料理としては煮込みが基本なのかもしれない。もちろん、油ギッシュなソーセージと生ビールで!

まずは写真をご覧あれ。

ドイツの赤ワイン煮込みザワークラウト
ニュルンベルク「ブラートブルストホイスレ」のワイン漬けザワークラウト。白ワインなのか、赤ワインなのか記載していない
ドイツのザワークラウト
ニュルンベルク「アルトシュタットホフ」のザワークラウト。こちらは何も記載なかったがひと手間加えているのかも。味は酸味があまりない

ザワークラウトが登場するドイツが舞台の物語

思えば、私がザワークラウトを知ったのは小学生の時に読んだ『大どろぼうホッツェンプロッツ』。ドイツの話で、主人公のおばあさんが作るザワークラウトは死ぬほど旨いというようなことが書いてあった。純真な私は、「キャベツの酢漬け」と注釈にあっても、脳内でキャベツのバター炒めに変換され、想像上で美味しくいただいていた。

 

大人になり、ドイツ人を彼女にもつ男性にその話をすると、「間違ってないよ。彼女がドイツではバターで炒めて食べるって言ってた」と。
ドイツの煮込みだか炒めだかわからないザワークラウトは、バターが入っているかもしれない。

バター炒めといえば、ホットドックのキャベツがそれにあたるのではないだろうか?ホットドックは、ドイツからアメリカに移民した人たちが考案した食べ物だったと記憶している。
ひと手間かけて美味しくしているのだろう。

5年目にして「ワインクラウト」という言葉を知る

「ワインクラウト」という言葉があることをご存知だろうか。そういう売り物があるのだ。

商品紹介文は以下の通り。

ワインクラウトは、白キャベツをきざみ、塩漬けし自然発酵させ、その漬け汁とワインを加えたクリアでマイルドな味わいです。

「クリア」で「マイルド」というのが両立している表現は微妙だが…つまり、一度普通にザワークラウトをつくり、そのあとワインを加えているのだ。そのため、味はマイルドになるという。
それはいいとして、10kg以上あって5000円くらいとは、なかなかヘビーである。

もっと詳細を知りたくて、いろいろ海外サイトなども調べたが、ザワークラウトを白ワインで煮込むという意味で「ワインクラウト」という言葉を使用している場合もあった。それは私が知りたいことではない。
そうではなく、本当にワインを加えて発酵させているものをYoutubeで見つけた。

料理好きのアメリカ人がワインクラウトを作る動画で、発酵後、ワインを50cc加え、さらに2日ほど常温で発酵を進めるというもの。そこからが首をかしげてしまうが、完成後、彼女はジャムを入れるような瓶に密閉し、熱湯に瓶ごと投入し、熱消毒&脱気していた。これだと乳酸菌は死滅しそうだが…いいのだろうか。

また、ほかのネット情報では、ワインクラウトを作ったという話があり、やはり発酵後、ワインを投入している。分量ははっきりしない。

天野川流ワインクラウト

最初にお断りしておくと、オーソドックスな「ワインクラウト」があるのかどうかわからないし、私のやり方がそれに近いのかも知らない。

ただ、実際に、1玉分ザワークラウトを仕込み、発酵できたらドイツの白ワインを50ccほど投入し、1~2日さらに常温で発酵を進めると、ガラッと美味しいザワークラウトになったことだけは確かである。これを冷蔵庫に入れてさらに発酵を進めていく。

特徴は、もともとの味に角が取れ、芳醇で深みのあるものに変化するということ。あくまで比較であるが、とんがった酸味やえぐみがなくなって、まろやかになるのである。ドイツワインのさわやかな甘みが乗るといったほうが正解か。。

ワインクラウト

そう、ワインも発酵させて作っている。とすれば、相性が悪いわけがあるまい。
使用するのは、必ずドイツワインにしてもらいたい!
泡は発酵の証。

葉が柔らかくなったように感じたのも、気のせいか? それはもともとのキャベツの質にもよるが…今シーズンナンバーワンの味であることは間違いない。

冷蔵庫に入れた後のザワークラウトにもワインを投入し、ワインを入れないものと比較したが、やはりドイツワインのほのかな甘みが加わって、いれたほうがいい気がした。
アルコールを入れると、腐敗からも遠のくと思うので、入れて悪い方に向かうことはなさそう。

白ワインを入れるタイミング

白ワイン投入は、必ずちゃんと発酵してからするべきである。
ある日、外気温26℃になったため私が焦ってしまい、1日しか経っておらず、塩味が残るなか、白ワインを入れてしまった回があった。そのときのザワークラウトは失敗したのである。失敗と言っても、腐敗したのではない。それ以降発酵がうまくいかず、塩味が残って中途半端な発酵のまま進まなかったという意味である。

仕方がないので、その失敗作はスープに使用したが。

まとめ

ワインクラウトは、白ワインを使用している。ドイツといえば、やはり白。寒冷地は白ワインのほうが有名であるので、これは納得。
そして、発酵後に投入すること。仕上げというべきか。
芳醇仕上げに白ワインということである。

さて、ひるがえって、ドイツ産の瓶詰ザワークラウトを考えてみよう。

巷で見かけるのは、↑こんなイメージだろう。

これは、別のページで言ったように、酢が入っているものであり、通常のザワークラウトは酢など入れずにつくるのでこれら瓶詰ザワークラウトは伝統的なものではなさそうだ。

既出のキューネ社のものは酢を入れないと断言している。また、ほかの商品でも酢は入れずに白ワインを入れているものも見た。

さきほど、アメリカ人女性のYoutuberが熱消毒して瓶詰めしていた話をしたが、本気で保存しようとすると、瓶詰はその前後になにがしかの消毒をしており(厚生労働省の文書をチラ見するとそうある)、発酵はストップしているものと思われる。
かつて海外に加工食品を売るため開発中というTV番組を見たのだが、常温輸送OKなのは、マヨネーズのように、ある程度の酸に傾いたPh値であった。だから、ザワークラウトでありながら、加熱殺菌のうえ酢を入れているメーカーがあったとしても、実はそれが普通なのかもしれない。

ヨシ、やはり発酵食品は自分で作るに限る。
自己責任となるが、もっとも成功しやすい菌のリレーで発酵させ、仕上げに白ワインを投入して、マイルドなザワークラウトを楽しもうではないか。
室温20度前後の春のうちに、お手製ワインクラウトを仕込もう。

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