The Legend of the “White Lady”
1000年ほどの歴史があるドイツのホーエンツォレルン家には、レジェンド、つまり伝説があるそうだ。
The Legend of the “White Lady”、日本語でいう「白い婦人伝説」とか「白衣の女伝説」と呼ばれるものである。
かいつまんで言うと、ホーエンツォレルン家・アルブレヒト伯の子孫の間でまことしやかに伝わっている怖い話で、なんでも、「ヴァイセ・フラウ(白い婦人)」と呼ばれる王妃の亡霊を見た人が、その直後に死んでしまうことがあったらしい。だから皆、亡霊を見た人は最期の時間が近い、不幸の前触れだと思い込んで恐怖のどん底を味わうという言い伝え。
というわけで、話は中世、1422~1423年。
ホーエンツォレルン城が敵による包囲状態のとき、秘密の通路を通って敵の目をかいくぐり、城内部に行きついたという白い衣を着た若い女性がいて、せっせと食糧や医薬品を城の守備隊に届けていた。
その衣服から、包囲軍はこの女性をホーエンツォレルン家の伝説にある不吉の予兆、「ヴァイセ・フラウ」だと思って恐怖におののいたというのだ。
現在、城には埋没していた中世の地下室が2001年にちゃんと発見されており、3年後、城の中庭(下図7の場所)から地下へと通じることができるようになった。
城の内部見学は有料で、入場料・城内見学 (各5ユーロだったと思う) 合わせて10ユーロであるが、確か入口7の地下室は城内見学をせずとも入ることができるはずだ。
7から下っていくと、このような地下通路がある。そして、小さな個室や、備品倉庫などがいくつかあり、 やがて上に上がる階段を抜けて地上へと出ることができる。
たまたま、この写真のような出口だが、かつては「これ見よがし」の出入り口だったはずがない。ここは城壁内の端であるが、おそらくは別の出入り口もあったろうと考えられており、そういう記述もあるようだ。ホーエンツォレルン城は山のてっぺんに建つ山城であり、山のどこかに通じる抜け道があったと考えるのが妥当だ。
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所要時間:約1.5~2時間
私は隅々まで見たのと、屋外カフェテリアでビールを飲んでのんびりしていたので、2時間以上はそこにいた。
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