ここ!という撮影ポイントがある


「ホーエンツォレルン城」で画像検索すると、決まってこの角度からのショットが並ぶ。
絵になる天空の城ショットは、どうやら同じ場所から収められているらしい。知っている人は「ここ」という場所を心得ていて、皆そこから狙い撃ちするのであろう。
ドイツのホーエンツォレルン城に行くことになって私が目標としたのは、その天空の城写真を撮るということだった。
そこで、ネットで探してみると、Tripadvisorのコメントで、「近くにある“Zeller Horn”(ツェラホーン/ツェラーホルン)に登って撮った」とあった。その人は、近くのホテルに滞在していて、30分で行けたという情報も書いており、「そんな程度で行けるんだ」とタカをくくった私は、Google Mapで詳細な縮尺で印刷し、あとは現地でどうにかなると踏んで、旅立った。
【後日談2016】
なんと!ミュンヘンからホーエンツォレルン城へのツアーがあった!
雲海鑑賞ツアーとな。。


ドイツくんだりまで行って、ワイルドな山登りを所望する
そこは森林公園に属する山のようだが、山と言ってもどんな感じなのか見当がつかない。トイレのある、整備されたハイキングコースなのか、それとも何もない山の中なのか。
>>Google map で“Zellerhornwiese”と入れて検索すると、出てくる。
住所は、ドイツ 〒72379 ヘッヒンゲン …山なので、詳細な住所がないのか?


さて、ホーエンツォレルン城のゲートに着くと、黒服の男性2人が車道にロープを張って通せんぼしていた。あの人たち、なんなんだろうと思ってチケット販売所兼売店に行くと、「今日はプリンスのセレモニーがあるので午後2時まで入場できません」と言われてしまった。
私の予定では、まず城に行って、それからツェラホーンに登る予定だったのだが。
あと3時間以上待たねばならない。そうか、ならば山から先に登るかと気持ちを切り替えた。
店のご婦人に、「ツェラホーンに行って写真を撮りたいんだけど」と相談してみた。トイレ事情を聞くためでもある。
ご婦人は「え?アレを撮りに行きたいの?」と例の天空の城写真ポスターを指差して聞き返した。
「そうそう!アレ!」
ご婦人は難しい顔をして真剣に言う。「ワイルドよ。山よ。細い細い道がたくさんあってね、すごい山登りになって」と身振りを加えていろいろ忠告する。「トイレは?」と聞くと、「あるわけないでしょ、山なんだって」と必死で伝えようとする。
が、私は情熱をたぎらせたカメラマンになりきって、「うんうん。チャレンジしてみるわ!」と力強く断言すると、ご婦人は諦めて目印になる標識名をいくつか書いてくれた。
「靴は登山靴かそれに類するもの、リュックサックがいいけど…ないなら仕方ないわね」と、装備についても心配してくれた。
桜吹雪の舞う中、孤独な登山をすること1時間半


ご婦人の説明通り、途中までは行けたと思う。
上図の左上にあるのがホーエンツォレルン城。その左横にある「P」が売店のある場所・駐車場と思われ、私はそこから出発した。途中、城のほうではなく、山を下り、右下のツェラホーンに向かう。 ……


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