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【大神神社】大和の国の一之宮にして、我が国最古の神社

大神神社大門松 関西

「大神神社」と書いて「おおみわじんじゃ」と読む

「大神」は通常「おおかみ」と読むはずなのに、奈良県桜井市の三輪山(みわやま)にあるこの神社は、「大神神社」と書いて「おおみわじんじゃ」と読む。

なぜそのような読み書きになったのかは後に語るとして、まことに神格の高い神社であることがわかるだろう。

大神神社

拝殿

ご由緒には以下のように記されている。

古くから神様の中の大神様として尊ばれ、第十代崇神すじん天皇の時代には国造り神、国家の守護神として篤あつく祀まつられました。平安時代に至っても大神祭(おおみわのまつり)、鎮花祭(はなしずめのまつり)、三枝祭(さいくさのまつり)が朝廷のお祭りとして絶えることなく斎行され、神階は貞観元年(859)に最高位の正一位(しょういちい)となりました。延喜式(えんぎしき)の社格は官幣大社(かんぺいたいしゃ)で、のちに大和国一之宮(やまとのくにいちのみや)となり、二十二社の一社にも列なるなど最高の待遇に預かりました。

External Link>>公式大神神社

祭神の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が三輪山に鎮まっており、そのため本殿はない。拝殿の奥にある三輪山が御神体で、そこに向かってお祈りするという原初の神祀りの様を伝える我が国最古の神社である。

日本の神社の頂点は伊勢神宮であることはよく知られているが、それよりもはるかに古くからある。関西地域の人は親しみをこめて「みわさん」とお呼びしている。

アクセス

大神神社はなかなか交通の便の悪い場所にあるのだが、今も変わらずに人々の篤い崇敬を集めている。社格が高いとか、最古の神社であるということもあろうが、ここに足を運ぶのは、その清浄な神域に浸りたい人には満足できる雰囲気があるということだろう。
とにかく緑があふれ、空気が澄んでいる。

大神神社

二の鳥居

三輪山が御神体であるならば、山奥かというと、そうではない。二の鳥居は三輪山の麓で、平地である。
アクセスには以下3パターンがある。

  • JR:桜井駅から桜井線に乗り換えて三輪駅で下車。二の鳥居まで徒歩5分
  • シャトルバス:桜井駅下車、北口ロータリー2番乗り場(駅を出て左へ)から、二の鳥居まで。ただし、土日のみ。所要時間約20分。運賃:190円

年末年始は、バスが二の鳥居までは入ってはいけないとのことで、大鳥居前のルートしかない。
詳しいアクセス方法、バス時刻表などは下記サイトを参照されたい。

External Link>>大神神社アクセス

大神神社大鳥居

大鳥居

番外編↓

  • 徒歩:桜井駅から徒歩40~50分くらいだろうか。平地なので、歩きなれた人ならば苦にならない。

正月の大門松

年末になると、楽しみなのが大門松。

大神神社大門松

大神神社大門松

大門松

12月半ば、奈良県花き植木農業協同組合から見事な大門松が二の鳥居前に毎年奉納される。高さ5m。いつ見ても圧巻である。正月は大変な人なので、年末に訪れることをオススメする。

大神神社の祈祷

ここに来るときは、祈祷をお願いすることにしている。祈祷料は4000円から。
心神深い信者ばかりのせいか、神楽(かぐら)を申し込む人とご一緒することが多い。

2015年の年末もありがたいことに神楽奉納者とともに祈祷を受けた。雅楽の調べのなか巫女が鈴を鳴らしながら舞う神楽を見ることができ、一年の無事と来年の幸せをお祈りして満足した。

神楽

神楽の絵。北海道神宮にて。

大神神社の祈祷は丁寧だと感じる。正月や厄払いの2月といった混み合う時期は知らないが、通常では祈祷殿で祓詞と祝詞奏上(あるときは神楽も)があり、その後拝殿に通されて、三輪山に向かって幣を一人一人神に捧げ、二礼二拍手一礼する儀式もある。
すべて終わったら、最後にお札、そして運転しない人はお神酒をいただくのだ。

大神神社といえば酒造りの神

しるしの杉玉

しるしの杉玉

ところで、大神神社の神様は大物主大神で、三輪明神とも呼ぶ。

この神様は酒造りの神でもあるので、御神徳をたたえて、11月の半ばにここで酒まつりが催行される。新酒の醸造の安全を祈る祭典で、全国の酒造家・杜氏・酒造関係者が参列する。
祭典後から醸造安全の赤い御幣と酒屋のシンボル「しるしの杉玉」が授与され、また全国の酒屋に配られ、それらが店や酒蔵の軒先に吊るされているので、皆さんもみたことがあるに違いない。

杉玉は「新酒が出来ましたの合図」で、新酒が出来た頃に青々とした杉玉が吊るされ、一年かけて徐々に茶色になっていく。それが酒の熟成具合といわれているから面白い。

実は酒造りがここ三輪の地からはじまったといわれている。『日本書紀』にも一夜で酒造りを行い神酒を奉納した話が記述されている。

神酒と「みき」と「みわ」

神酒のことを現在では「みき」と読むのだが、昔は「みわ」と読まれていたという。また、古人は神のことを「みわ」と読んでいた。その証に「大神神社」を「おおみわじんじゃ」と読むのだそうだ。
古来、酒は神とつながる大切なもので、酩酊状態もまた神とシンクロしているとのことだ。なんだか酒飲みが喜びそうな話だが・・・。

今西酒造

今西酒造

三輪明神が酒造りの神様といわれると、三輪で造られた酒を飲んでみたくなるもの。
実際に飲めるのだ。二の鳥居手前にある今西酒造で。

今西酒造は現在三輪に残る唯一の造り酒屋である。仕込み水には三輪山の伏流水、米は三輪産を使用。
しかも、そこの杜氏らが大神神社に毎年酒を仕込みに行っているという。祈祷すると、最後にその酒をいただくことができる。巫女がおちょこに酒を注いでくれるアレがそうなのだと、今西酒造の方にお聞きして興奮した。

「あぁ、アレ、本当に美味しいお酒でした。あれが欲しいのですが」
「ウチの杜氏が仕込みに行っていますが、ここで売っているのはそこで醸造しているものと同じとは言えないんですよ」
「そりゃそうですね。では、同じようなモノで結構です」

そんなやりとりで日本酒1瓶を購入して以来、大神神社に寄った際、必ず今西酒造に立ち寄ることにしている。
季節によって、ソフトクリームだったり、甘酒だったりするのだが。

この年末、新酒を発表して間もないときだったので、酒粕と生酒、それも「おり酒」を買い求めてみた。

おり酒

おり酒。鬼ごのみ。1400円

おり酒

おり酒は「お米のシャンパン」と呼んでいるとかで、試飲させていただいたら微炭酸で、飲みやすい甘口だった。
ワインも製造中に「おり」ができる。それは市場に出回らないが、煮込みなどの料理に使うとすこぶる美味しいとテレビで見たことがある。こんな時期でなければ、日本酒の「おり酒」も手に入らないと思った。すかさず「それにします!」

…とはいうものの、持ち歩きは振動を避け、開けるときは爆発注意だ。はっきり言って、シャンパンよりも危険を孕んでいて、ちょっと開けて、泡が上がってきたら締めて、開けて、締めて…を繰り返さねばならない。
正直ドキドキした。

おり酒

今年の生酒は爆発注意の冷や冷や付きを購入。

大神神社に行くならば、神酒=ミワも楽しみたい。お正月にほろ酔いになって神様とシンクロするのもいい。新しい年を祝って。

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