My mother’s Etegami (letter with pictures) was used for the illustrations of a mail order company’s calendar twice. You can see below her original illustrations for calendars for the year 2012 and 2014.
母の絵手紙作品とカレンダーコンペ
天野川の母は、10年以上も絵手紙を習っていて、描きためたのも数百枚ある。
とはいえ、絵手紙とは本来誰かに手紙として送るものなので、手元に残らないものも結構あるのだ。その残った作品を見せてもらうたびに、我が母ながら「へぇ」と思わせるようなものも描いているんだと感心したものだった。
母は学生時代、美術部に所属していた。結婚して主婦になってからも、文化教室などの芸術系講座に通ったり、細密画を描いたりしていたので、それなりの素養はあったのだろう。
ある時、私にカレンダーのコピーと企画の依頼が舞い込んできたことがあり、さぁ困った。。
絵の手配もしてくれないかと言う。「誰か絵手紙を描いている人、知りませんか?」と。
ある通販会社のカレンダーにマッチする絵を。しかも、12カ月分なければならない。
「母が…趣味で描いています」と言ってから、苦しい2週間を経て、描きためた中から選り抜いて提出し、絵のテイストがうまくはまってコンペで勝った。つまり、採用されることになったのだ。
母に報告すると、飛び上がって頭を天井にぶつけんばかりに喜んだのは言うまでもない。
2012年版のカレンダー挿絵集
カレンダーのデザインは省略する。
絵に添えた文字は実際には使用されていないが、ここでは原画のままアップする。
2014年版のカレンダー挿絵集
2年後、再びカレンダーコンペの話が来て、なんと、またもや採用になったのだった。
1月、8月は母の作品ではないので載せないが、4、5、7、9、10月は描き下ろし。5カ月分も描き下ろしさせたら、さすがの老人も目がどうとやら、頭が痛いやら言い出し、なだめすかすのに難儀した…。絵手紙は好きなように描かせるのがいいと悟った瞬間だ。
絵手紙は飾るべき
カレンダーの挿絵に採用されるという”名誉”を得る機会があってから、私は彼女の作品を戸棚にしまっておくには惜しいと思うようになった。
絵は見せるもの、飾って人を楽しませるもの、のはず。
こうしてTraveloop で使用させてもらうことにし、ささやかながら、あるデザイナーさんにお願いして、春夏秋冬で着せ替えできる立体的な額を手作りしてもらうことにした。もちろん、母へのプレゼント。
そして今、天野川家の居間を飾ってくれている。